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【環境】放牧でCO₂が吸収できるってホント!?~牛・土・炭素の意外な関係~

「牛はゲップでメタンを出すから、地球温暖化の原因になっている」という話を聞いたことはありませんか?

確かにメタンは短期間(20年程度)で見た場合、CO₂の約80倍以上の温室効果があると言われており、温暖化対策の観点から欧米では畜産への反対運動や規制の動きも強まってきています。

また問題を解決すべく、近年では、メタン排出量を減らす牛の餌の研究も各所で進んでいます。(大学時代私の隣の研究室でも取り組んでいました)


ですが実は、牛の適切な「放牧」では、温室効果ガスを牛自らが「出す」よりむしろ排出量を越えて「貯める」ことができるんです!


牛たちはただ草を食べているだけ、ですが…
牛たちはただ草を食べているだけ、ですが…

「放牧で温室効果ガスを貯める」ことができるのは、牛が「炭素を貯める土を作ることができる」から。(※炭素:CO2/二酸化炭素(温室効果ガスの一つ)のもと)

その仕組みを解説していきます。

読むと、もーもーの牛たちを見る目も少し変わるかも?


◆牛が「土に炭素を貯める」メカニズム


植物のCO2吸収量アップ!

牛が草を食べると、草は「もっと伸びよう!」と太陽の光をたくさん浴びて、どんどん空気中のCO2を吸い込み、光合成を頑張ります。


植物の根っこが発達!炭素が地下へ

地上に出ている草を牛がむしゃむしゃ食べたり、牛が踏みつけたりすることで植物に刺激を与え、植物は根っこを発達させます。

この時、光合成で吸い込んだ炭素がどんどん根に送られます。

(炭素は植物のからだをつくる大切な栄養のひとつ)

さらに植物は、微生物のエサになる「糖」などの形で、炭素を土の中に放出します。


土を豊かに!微生物の活性化

牛が歩くことで、地表の枯草や牛のフンが土の中に適度に押し込まれます。こうすると土の中の微生物がフンや枯草などのエサに触れやすくなり、微生物の種類や数が増えていきます。

微生物が豊かになることは、植物がさらに成長することにもつながります。


草を枯らさない「舌草刈り」で土の中の炭素を守る!

牛は舌で草を巻きとって食べる「舌草刈り」をしてくれます。

こうすると、草は牛が食べた後でも背を低くして地面に残った状態になります。

地面が草のマットで守られることで、露出した土から炭素が放出されてしまうのを防ぎます。


ふかふかの土が炭素を閉じ込める!

微生物の活躍でふかふかの「団粒構造」になった土は炭素を閉じ込めて、離しにくくなります。


イラスト:放牧による炭素貯留の仕組み(Illusted by ぱり)
イラスト:放牧による炭素貯留の仕組み(Illusted by ぱり)

◆「炭素を貯める」放牧のコツ


放牧なら何でもいいかというと、そうではありません。

土地の面積に対して牛の頭数が多すぎると、草を食べつくしてしまったり、踏み込みやフンが多すぎて土が傷んでしまったりして、炭素を貯める効果は減ってしまいます。


十分広い面積に放牧したり、複数の放牧地を移動させながら放牧を継続させていくことが必要です。


もーもーガーデンでは、8.5haの広い敷地を8頭の牛たちがほぼ自由に移動しながら食べていくため、草が程よい状態に保たれています。また時には、草の状態を見ながら、人の手で「牛を入れずに草を成長させる区画」を作ることも。

もーもーワールドでは、区画が複数の場所に分かれているため、草地の状態を見て、移動させながら放牧しています。


◆炭素吸収力比較:草ぼうぼう放棄地 VS 日本の森林 VS 里山再生放牧草地


同じ草地でも、ただの草ぼうぼうの草地と、牛がいる適切な放牧の草地では炭素吸収力はどちらが高いのでしょうか?また、CO2吸収で取り上げられることの多い森林と比較するとどうでしょうか?ChatGPTに聞いてみました。


"〈炭素吸収量数値イメージ(日本条件)〉

適正放牧草地  1.2〜2.3 t/ha/年(もーもーの条件)

草ぼうぼう草地  0.2〜0.8 t/ha/年

成熟森林     0.5〜1.5 t/ha/年"

※植林~20年程度の若い森林は2〜6 t CO₂-eq / ha / 年の吸収量がありますが、日本のほとんどの森林は植林から20年以上経過しているため、成熟森林で比較しました。


このように、適性放牧草地がCO₂吸収量が多いとのこと!

理由は、適性放牧草地では「常に若い草が再生、成長し、糞尿による栄養循環もあるため、土壌に炭素が入る量が多い」からだそうです。


もっとも放牧では、牛のメタン排出など、温室効果ガス排出要素もあります。

これも見込んでもーもーの条件で計算すると「ほぼカーボンニュートラル~吸収超過」レベルまで持っていけることが分かりました。



●おわりに


もーもーの牛たちは、今日ものんびりまったり、彼らの本能と生態のまま、むしゃむしゃと草を食べ、反芻して過ごしています。

ですがそんな彼らのもーもーでの生活が、実は地球温暖化対策につながっていることがお分かりいただけたでしょうか?

(本人(牛)たちはつゆ知らず!ですけどね)


地球
地球

牛たちの毎日を守るためにも、地球を守っていくためにも、これからももーもーをご支援・応援くださるとありがたいです。


質問、ご意見などもお待ちしています~コメントやお問い合わせフォームからどうぞ!


最後までお読みいただき、ありがとうございました!


※炭素貯留についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ

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