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牛の草地再生放牧による炭素貯留効果

  • 牛の採食により、草が上に伸びられなくなり地上近くの葉を密にする。

  • 牛が蹄で草を踏みつけることにより、蹄圧を受けて植物は地上部より根の成長に資源を多く割り当てるようになる。[1](光合成によって固定された炭素は、主に根のバイオマス、根からの滲出液(微生物を育てる効果あり)、微生物バイオマスとして、土壌有機物(SOM)として根圏に蓄積される。[2])。(植物の根と微生物は、草原における土壌炭素プールの主な供給源)

  • 踏みつけは枯れた植物の断片化効率に影響を与え、土壌の嵩密度や土壌浸透抵抗などの物理的特性を変え、土壌団粒を分解し、土壌炭素貯留に影響を及ぼす[3]

  • 家畜の排泄物や踏みつけ、土壌混和によって土壌微環境(土壌温度、土壌水分、土壌嵩密度、土壌pHなど)や土壌微生物群集構造を変化させ、土壌有機炭素の分解・変換プロセスに影響を与える[4]。

  • 草が採食され千切られ、また蹄で踏まれたところを修復するために、より循環活発になり、光合成促進、密になる[5]

  • 地面に落ちた枯草は分解されにくいが、牛が食べ消化し糞尿として土壌に戻すと、微生物に分解・吸収され炭素は微生物に同化されやすくなる。

  • 根が密になることで土壌表面に無酸素状態の土壌マットが形成され、その下の土壌の有機物分解が抑制される[6]。

  • 放牧は、土壌を耕さない(不耕起)ため、表土を短い草で皮膜された状態で守るので、

  • 紫外線・雨風から土壌及び生息する虫や微生物等の生態系を守り、炭素放出も防ぐ。

  • ⇔今や日本の畜産酪農は世界で最も他国に依存した工業型畜産(工業型畜産ではない、対する放牧形態での飼養割合は、酪農3%[7], 肉用牛14.1%[8], 豚3%[9], 採卵鶏 2.5%[10])。 海外から大量の飼料を輸入している(飼料自給率は粗飼料78%、濃厚飼料13%で、飼料全体26%[11])。餌を輸入することにより、温室効果ガスの排出、石油の大量消費をしている。(海外での飼料の生産・輸送を含め、日本の工場型畜産では豚肉1kgあたり7.8kgのCO₂、牛肉1kgあたり23.1kgのCO₂を排出している[12]。 輸入元の大部分はアメリカ・ブラジル等地球の裏側にある国であり、食物量×輸送距離で産出されるフードマイレージも高い[13]。)

  • 輸入元の国では飼料生産のために次のような環境問題や社会問題を引き起こしている。

    • 地球の肺と言われるアマゾンの熱帯雨林伐採[14][15]

    • 伐採による火災[16]

    • 生物多様性破壊[17]

    • 土地劣化[18][19]

    • 水枯渇[20][21]

    • 牧草生産に耕運を使うため、おびただしい炭素が出る

    • 肥料枯渇[22]

    • 飼料作物で外貨を稼ぐため、人間用食料生産が阻害される[23]


[6]西尾道徳の環境保全型農業レポート https://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=3541

[14] 熱帯森林保護団体https://rainforestjp.com/deforestation/current-state/

[20] 東京大学大学院農学生命科学研究科 https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20201027-1.html

[21] エキサイトニュースhttps://www.excite.co.jp/news/article/Bizjournal_202106_post_233800/

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