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里山の住民の教室「土壁作り~B 竹の割き方~」

更新日:6月9日

地域の素材で作る小屋を実現すべく、素材集めと施工を同時進行させてきた我々。

そんな中、毎日、一日三回軽トラで牛の様子を見に来るのが日課のSさん(85歳くらい)に小屋づくりの話をしたところ、使わない木材(垂木)を頂けることに。Sさんはかつて森林組合に所属されていて、自身の製材所も運営されていました。地元を愛するご夫婦は、いわきへの避難生活を経て「地元の方が良い。いわきは人が多く落ち着かない」とこちらに戻ってきたそうです。今はお二人で農業を営んでおられます。


垂木を頂くためにSさん宅にお邪魔したところ…


Sさん宅前にある、自分たちで建てたという倉庫の壁、これは土壁では!?


しかも、土壁が破れた部分からは竹小舞ものぞいています。


これは学ばせて頂くしかない!

ということで、木材を頂いた後再びSさん宅に舞い戻り、土壁作りの教えを乞うことに。


まずは竹の編み方を…と思ったところ、私たちが持参した枯れ竹の束を見るなり、Sさんが一言、「これじゃだめだ」

なんでも、生竹を切って、割って細くして編むのだとか。(全然知らなかった…)


敷地内の竹を切ってやるから持っていきなさい、と言って頂き、急遽土壁作り講座はその手前の竹伐採・竹割り講座になりました。


Sさん、手際よく太い竹を切り倒し、枝を落としていきます。

枝を落とす際は、枝の根本にのこぎりで切り込みを入れ、その後なたの背で払い落とします。


枝を落とすと、今回作る壁の高さに合わせて竹を切ります。

先端の方の細いところは、使わないそうです。


そして割る。

竹の片端をコンクリ壁など硬いところに当てて支えにし、反対端になたを当て、ハンマーでなたの背を叩き、竹に割れ目を入れます。



それほど硬い竹でなければ、ハンマーがなくても、なたがはまった竹を壁に叩きつけるのでも竹は割れていきました。



割れ目に合わせて何回か叩き続け、節1.5個分ほど入ったころか、割れた竹の両側に力をかけると、


手で竹を割る

パカーン!


と真っ二つに割れました。

すごい!


その調子で竹を割っていきます。

内側の節も並行して取ります。編むときに邪魔になるため。


竹小舞にするには、丸竹を二つ割り、四つ割り…と進めていって、最終的に12等分くらいにする必要があるそうです。でないと太くて編めない、とのこと。

やり方を教えて頂いて、あとはもーもーワールドに戻り、自分たちでやってみることにしました。

最終的に30本ほどの割った竹を頂きました。


最後に、編み方や土壁についても、S奥さんからも伺うことができました。


竹を並べ、麻紐を交互に通して編んでいく。すだれを作るようなイメージです。

竹小舞ができたら、土と藁を1対1くらいで混ぜ、寝かせたものを塗っていきます。漆喰のように石灰を混ぜる必要はなく、土と藁だけで壁になるそうです。竹や紐に絡んで、土は剥がれないとのこと。


里山の自給自足100%の土壁。


Sご夫妻、教えて頂きありがとうございました!





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